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車は最終的に命を守るものだ。信頼に足るギアを選ぶという点では
クライミングギア選びとなんら変わりはないし、車という道具の安
全性に配慮ができない人は、登山なんかやめた方がいいとさえ思っ
ている。
よくよく考えてみろよ。登山中の事故よりも、行き帰りのクルマで
の事故の方がよほど多いんだ。クライミングギアの安全性について
は論じるのに、車の安全性は放置というのはありえないだろ。
ジムニーのドアをあけて、あの蹴飛ばしただけでひんまがりそうな
薄いドアと対面する。僕はその時点でリタイヤだ。こんな作業車で
でかけるなんていうのは、補助ロープでクライミングをするような
もんだ。落ちない自信のあるベテランなら好きにすればいい。だが、
落ちる(=車をぶつける)方に張った方が可能性の高い初心者に、
なおかつ他人が勧めるプロダクトではない。
どっかのmixiのどっかの登山コミュに、車選びのトピがたった。こ
の類のトピが立つと決まってジムニー最強厨が湧いてでる。自分で
所有してその辛さを身をもって体験してないから、具体的な説明な
んか一切できない。ただ最強とだけ無責任に書くわけだ。だが、実
際には、ジムニーほど登山に向かない車はない。
いや、本当は乗り比べてもわからんのかもしれないし、実際には乗
り比べてなんかいないのかもしれない。だいたい普通の人は自分の
所有していない車に乗るのなんか、10年に1度買い替えの時くら
いのもんだろう。で、乗り比べたのが先代ジムニーと現行ジムニー
では、井の中の蛙にもほどがあるというもんだ。僕はだいたい平均
すると月に2台くらいはチェックしてるから、車に疎い人が名前を
挙げるような車では漏れがないと信じている。
>マジレスすると、ジムニーほど登山に向かない車はない。
>およそ路上で起こりうるあらゆる困難辛苦に耐えて、それで普通は
>徒歩で歩く林道を登山者を蹴散らして山の一番奥深いところまでい
>かないと気が済まないのであれば話は別だが、そういう用途であれ
>ばバイクの方がおすすめ。雲取山なら、ジムニーでは小袖までしか
>いけないが、バイクなら奥多摩小屋までいける。三ツ峠も四季楽園
>までオッケー。
と僕は書いたのだが、困難辛苦は華麗にスルーされてしまった。
実際、ジムニーでなければ行けないところは、まず存在しない。存
在するとすれば、それは「通常歩いてしかるべき」所である。
j自家用車がタクシーやバスの代替品であるとすれば、自家用車にタクシー以上の走破性は必要ない。いざというときにJAFも入れないような場所にまで車で乗り入れていくのは、僕はおかしいと考えている。
たとえば、鍋割山へ行くとする。バスは大倉までだし、タクシーも
大倉までしか入らない。そして、駐車場がある。二俣まで林道が通
じているが、入り口に「通行はご遠慮ください」と書いてある。し
かるに、この林道は、「通常歩くことが前提」の林道以外の何者で
もないだろう。この林道を歩いている登山者のわきを、車で走るの
が「登山者を蹴散らして山の一番奥深いところまでいく」以外にど
う表現すればいい。この林道、普通車でも余裕で走れるところだ。
ところが、ジムニー乗りってやつは、この林道を走るだけでは気が
すまなくて、終点に車をとめずに、30m歩きたくないために川を
わたって向こう側のゲートわきに車をとめるだろ。
世の中には、SUVでなければ入るのが困難な林道は厳然として存
在する。これは事実だが、パジェロでもダメというところは、通常
車の乗り入れが想定されている場所ではない。パジェロの走りも最
低だが、ジムニーよりはマシだ。
そして、SUVはおろか、たいていの場所は普通車でもオッケーな
のである。悪路で有名な栗原川林道だって、皇海橋に止まってるの
は普通車の方がおおい。桜平なんかタクシーだって入ってくれる。
もうあとこれ以上の悪路を、関東日帰り圏内で見つけるのは困難だ。
さらに、世の中には「パジェロミニ」という車も存在する。車の設
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/catalog/model/MI/S014/
定がオンロード寄りな分、ほんの少しだけジムニーより走りはいい。
パジェロミニでダメで、ジムニーならOKなんていうのはもう道路
ではない。廃道か登山道か、いずれにせよ常識的に車を乗り入れる
場所とはいえないだろう。
もっといえば、「AZオフロード」という車もある。ジムニーほど
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/catalog/model/MA/S002/
は手荒に扱われていないだろうから、中古で買うならこっちの方が
まだいい。バッヂ以外まったく同じ車であるAZオフロードがダメ
でジムニーがOKになると、妄想癖も行き過ぎだからちょっと病院
にいってきた方がいい。
もし、そういう所へ、月に2回くらいのペースでいくとすれば、あ
らゆる困難辛苦に耐えてなおかつジムニーを飼う価値がある。だが、
半年に1回だったら、買うよりその都度借りたほうがいい。経済性のすぐれ
た車を買って、必要なときだけ車高の高い車を借りた方が結局は安
くつく。
ましてこのトピ主は、身近にパジェロを出してくれる人がいる。ジムニー
はおろか、普通車でも十分なんだ。
僕はここ数年、普通車で行けないような場所へはいっていない。神
奈川県中央部から登山に行く場合、ジムニーはおろか、SUVの必
要性自体怪しいのである。
そして、ジムニーでは行く気にならない(=事実上いけない)場所
は、はるかに多い。
僕の車だと、だいたい僕の自宅始発で盛岡(往復1400キロ)ま
では日帰りできる圏内だ。名古屋IC始発だとだいたい安達太良山
は余裕で蔵王がピッタリ。反対方向だと下関ICあたりになる。
自分の車で普通にあたりまえに日帰りする安達太良山(往復700
キロ)だったら、代車がエクストレイルならいってみる。アテンザ
だったら余裕。だが、マークXだったら拒否する。車というのはみ
んな同じ操縦性ではない。だいたい運転が疲れるという人は、疲れ
る車に乗ってるもんなんだ。
…ジムニーだったら、横浜でリタイヤだよ。家にジムニーしかなけ
れば、今日は車がないから電車でいけるところでお願いします、っ
て言っちゃうね。普通に。
トピ主の住んでいる神奈川県大和市から、一番近い丹沢にいこうと
思うと、まず東名高速に乗らないといけない。あのドアを見なかっ
たことにしてジムニーを駆ったとする。でも、厚木ICの下りカー
ブで料金所までいけずにリタイヤだ。普通の感覚を持った人なら、
遅くとも伊勢原バス停でリタイヤするに違いない。
ジムニーよりもだいぶディメンジョンがマシな、トヨタのちっこい
SUVにのっけてもらったことがある。最初の下りカーブで「歩く
からおろしてくれ」とのどまででかかった。半端でなく怖い。タク
シーとかも結構怖いけど、あんなに怖い思いをしたことはなかった。
重心が高いのがモロにきいて、いきなり大きなロールが入る。僕の
車ではどんなにメチャメチャな操作をしてもあんな信用できない動
きはしない。ハイデッカーの観光バスに乗ってられないのと同じ理
屈だよ。冗談じゃない。あの車だったら、僕は足柄PAの前のカー
ブで横転させる自信がある。
ジムニーはもっと幅が狭くて、全長も短いんだから、それは想像を
絶するほどトリッキーな動きをすることだろう。
で、めでたく高速道路に乗れた。同乗者は仮眠すると言っている。
まあ、毎週あるシチュエーションだよな。冬山でも僕の車はシート
ヒーターがついてるからぬくぬくで寝返りもできるけど、ジムニー
だと着るものがモコモコになって肩が触れるくらい狭いからちょっ
としんどいな。まあそこには目をつぶろう。
関越道の2番目の車線と3番目の車線を行き来すると、120キロ
からアクセルを踏み増すことが、まま存在する。関越道の埼玉区間
なんか160くらいで流れているから、ふつうに瞬間的に140く
らいに届くことがあるだろう。
勿論僕の車なら2000回転前後だから、シフトダウンも必要ない
し、まあ余裕で当たり前に走る。ジムニーはどうだ?あ、120か
ら踏み増しても前へ出ない?そりゃすまんかったな。じゃあ、120
巡航はどうだ?
5000回転くらい回ってて隣の人と話ができない、寝るなんて論
外?あーそうですか。常時5000も回ってたら、1往復でオイル
は終了だな。電制スロットルが入ってなくて、5000も回ってた
ら神経質にアクセル戻さないとエンジンブレーキでピッチングがで
そうだな。そんな神経質な車の運転、疲れるからやだよ。あれだけ
タッパがあって幅が狭いとトラックに追い越されただけで風圧の影
響受けそうだし、その度に修正舵では山登る前に疲労困憊だ。
で、那須塩原ICでおりて、桧枝岐にいってみるとする。僕の車の
タンクは62Lで、東北道なら12km/Lだから、夜中GSのない会
津の道路でも大丈夫だが、ジムニーは40Lで11だろ。実際使え
るのは35くらいだから、まあ夜中無給油で会津駒くらいはいけて
も、尾瀬だったらちょっと携行缶持ってないと怖いよなあ。東北と
かでも夜中営業してるGSが100キロ以上ない場所はあるし、飛
距離のない車はしんどいよな。僕の友達のパジェロ乗りも300キ
ロ位で給油だからしんどくてとか言ってたよ。
で、登山口にはやくついたから車中泊とかしてみたいよな。僕の車
だったら足のばして寝られるけど、ジムニーだとどうやって寝るん
だ?外にテント張って?でも、国立公園内だと違法なんだが。美濃
戸とかでは張れないだろ。だいたい駐車場にテント張ったら車に踏
み潰されるかもしれんしな。
たまには4人くらいでスノーシュー持ってでかけたいよな。え?ジ
ムニーの後席はバックレストが肩までない?あーそれは法律上座席
でも、実際には人間用じゃないよ。犬か荷物か子供用。ひざ前の空
間見ても人間用じゃないのわかるでしょ。足組めないし。っていう
か、こんなひらったいペタンコなシートに人が座るの?冗談でしょ?
でもって、パーティションネットのない車はバックレストの高さ以
上の場所にモノ積んじゃダメだからね。事故のとき後ろから飛んで
くるから。ピッケルとかがさ。
え?4人座るとザックが1つも入らない?ああそうですか。登山靴
は足元で、ザックは抱えて乗る?あ、後ろにドアがないからザック
が通らないですか。そりゃごめんなさいね。
で、なんか登山からフェードアウトする。車は登山専用じゃないし、
日常生活でも普通に使う。山やめちゃうと、ジムニーは惨めだよな。
トピ主は温泉もやるから、やっぱり遠出するだろ。遠出するのにジ
ムニーよりしんどい車を探すのは困難だ。20前半だと、10年後
には結婚するかもしんないし、子供ができるかもしんない。車高が
高いから普通の3ドア車よりチャイルドシートに子供乗せづらいよ
な。買い換えるのか?山で酷使した車だしなあ。下取りも期待でき
ないし、高い買い物になったね。
実際、登山やる人はジムニーを買ってない。趣味を続けていくうち
にジムニーに収束していくのであれば話は別だが、舗装の登山口駐
車場に4県以上向こうのナンバーのジムニーなんか止まってない。
みんなてんでバラバラな車にのってきてる。登山口に止まっている
車が、結局事実なんだよ。SUVだけしか止まってないという駐車
場はないだろ。むしろ普通車の方がずっと多い。
ということは、結局走破性なんかどうでもいいということなんだ。
JNCAPではいまだに6つ星をとれないし、10年前から基本的
な設計が変わってない。でもって、対歩行者の安全性はレベル1で
最低ランクだ。なにが最強って、歩行者へのダメージが最強なだけ
なんじゃないか?
もし、本当にジムニーの走破性が、自分でジムニーを買わないとい
けない頻度であるとすれば、僕ジムニー買いますよ。ジムニーと、
あとジムニーを林道入り口まで運ぶためのセフティーローダーを買
うよ。でも実際にはそんなことはない。どんなに毎週のように悪路
を走るとしても、エクストレイルで十分だ。
ジムニーでは、ベイブリッジのカーブでリタイヤだが、エクストレ
イルなら一応安達太良くらいまではいってみようという気にはなる。
値段も、燃費もたいして違わない。
僕の車庫に、ジムニーとエクストレイルが入ってたら、多分一生ジ
ムニーを動かすことはないだろうね。
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