雲取山・酉谷山へいってきました(長沢背稜)
10日
鴨沢に車をとめて日の出とともに歩き始める。
軽く舗装道路から歩いてわき道へ入ったところが登山道。
30分ほどの軽いウォーミングアップで小袖乗越へ出る。
小袖からの登山道はなだらかで歩きやすいがいかんせん
距離が長い。落ち葉に隠された踏み跡を2時間近く歩い
て堂所へ出たところで休憩。堂所下の水場は出ていまし
たがこの水場はあてにならない水場。紅葉はもう登山口
より下でほとんど枯れ木になっている。
堂所の上で道標が新たにつけられた所があるがここから
振り返ると富士山が見える。まずまずの天気のようだ。
七つ石分岐からブナ坂まではいつものことだが長い。特
に荒れているところもなくトボトボと歩いてブナ坂で2
度目の休憩。長袖1枚で暑くもなく寒くもなくといった
感じ。
防火帯の稜線からは展望が抜群なのだがすでにかすんで
いる。さっき見えていた富士山も今は見えない。やはり
冬の晴れた日が一番いいようだ。
奥多摩小屋前の水場で、酉谷の水場の状況が不明なため
2日分4Lを給水。重いといえば重いが思っていたほど
がっつりとはこない。テントが入っていないだけあって
重量も少し余裕があるようだ。試練の小雲取直下の急登
もあまり苦しまず登って雲取山頂避難小屋へは11時の
到着。少しというかかなり早いが今日の行動はここまで。
避難小屋へは当然1番着なのでいつもの定位置を確保し
て暗くなるまで呆としてすごす。覗いていく人は結構い
るが泊まりの人はなかなか現れない。3時を過ぎ4時を
過ぎ、薄暗くなって5時を迎えても誰もやってこず、結
局この日はあの年中満員御礼の雲取山頂避難小屋を1人
で使うことに。あるんですねえそんな日が。今日すれ違っ
た人3人。人気の雲取といえど平日のシーズンオフでは
こんな状況なのだろうか。丹沢大倉尾根を平日歩いてい
る人の数の多さからは想像できない淋しさだ。
ともかく、この一夜はひとりで過ごすことになった。時
間を過ごすアルコールの類も一切なく、一通り暗くなっ
た5時半には就寝とする。
夕方外へ出たときは一面真っ白だった。何度か同じ経験
があるが雲取はガスが出やすい山なのだろうか。天候が
良ければ雲取山頂避難小屋からの夜景が素晴らしいがこ
の天気では望むべくもないことである。
11日
夜半より強まった風は朝も吹いていた。さびしい一夜を
過ごしてなんとなく満足してしまったのでこのまま下山
も頭をよぎるが、思ったほど天気は悪くないので先へ進
むことにする。
天候は曇り。東の空が赤くなっているが日の出は無理だ
ろう。
ポピュラーな鴨沢からで昨日すれ違ったのが3人。避難
小屋泊まりの人が0だったことを考えると長沢背稜を歩
く酔狂な人はいないだろう。静かというより淋しい山に
なることはこれで確定である。もう1晩ひとりぼっちの
夜を過ごすことになるだろう。
長沢背稜の入り口までは三峰ルートを歩くことになる。
雲取山荘までの間では4,5組のパーティとすれ違う。
昨日は雲取山荘にはそこそこの人が泊まったようだ。
雲取山荘を過ぎると人足はぱったりと途絶える。三峰
ルートは厳冬期にしか歩いたことがないのでまるで初
めて歩くかのように記憶がない。そして1時間ほど歩
くと何でもないところに長沢背稜入り口の道標がやっ
てきます。本当に何でもないところにたっているので
長沢背稜へ入る際には道標を見のがさないよう。
三峰への道をわけるといきなり踏み跡が薄くなります。
確かに踏み跡のようではあるのですがいまいちはっき
りとせずルートに確信がもてない。のぼりきったとこ
ろに芋の木ドッケの道標があるのではじめてこれで長
沢背稜へ入ったことが確認できる。
芋の木ドッケを過ぎると一面倒木だらけとなり薄い踏
み跡をついにロストする。尾根づたいだということを
頼りに無視して強引にまっすぐ進むとやがて踏み跡ら
しきものと合流する。地図に書かれている「良く踏ま
れているが」のくだりはここを見る限りとても不適切
な表現と思う。
倒木帯を過ぎるとだんだんと道もはっきりしてきて、
アップダウンの少ない快適な道へと変わってきます。
時々怪しい踏み跡をロストしないよう注意しながら
進み、最初のランドマークは長沢山でここにははっ
きりと現在地を特定できる道標がたっています。必
要な分は道標が立っていると言えるでしょう。長沢
山を過ぎれば踏み跡に関しては完全にはっきりする
ので安心です。
長沢山を後にして先へ進みますが、あまり変化もな
くはっきりいってもうごちそうさま状態です。雰囲
気は悪くないのですが樹林はすっかり葉を落として
展望の山モードに入っているのに樹林の間からちら
ちらとしか見えないのは石尾根のみ。石尾根なんか
見ても面白くありません。きっと新緑の頃の方がい
いのでしょう。晩秋の奥多摩山稜を歩くなんていう
キャッチーなコピーはもろくも崩れさっていくので
した。
登山道はやせた所や崩壊しかかったところもありま
すが普通に歩けば落ちるようなところはないでしょ
う。あまり現在地を確認できるようなところもなく、
時間だけを目安に酉谷の避難小屋へやってきます。
酉谷避難小屋は稜線から40mばかり下がったとこ
ろに建っており水場はなんと小屋の真横。ちゃんと
出ていましたので今日背負ってきた2Lの水は無駄
になってしまいました。
建物も綺麗で宿泊に適しますが5〜6人くらいが限
度の小さい小屋です。
一杯水の水場はまったくあてにできないのでここで
2L追加。また重くなります。小屋の中で昼食を済
ませさらに先へ。予想通り雲取山荘を過ぎてからと
いうもの往くも帰るもひとっこ一人いません。これ
では遭難したときいつ発見されるかわかりません。
事故のないように慎重に慎重に歩いて酉谷から1時
間45分。そろそろかな、と思った頃に本日の宿泊
地一杯水の避難小屋にやってきます。特に歩き疲れ
た感もありません。時間もまだ1時半でもう少し歩
けるかな、といった感じです。それよりもびっくり
したのはここに人がいたこと。長沢背稜歩いている
人がいるんだ、と思いきやヨコスズ尾根を登ってく
ると駐車場から2時間半でやってこられる場所。こ
こを往復するだけらしい。今日の宿泊者はこの2名
とで3人か、淋しくなくて丁度いいやなんて思って
いたら夕刻になって5名の団体が上がってくる。2
時間半の短距離に任せて大量の物資を投入して宴会
である。長沢背稜の核心部最奥の小屋が一転して宴
会場に早代わりです。こんな平日に人気のない長沢
背稜を縦走するほうが間違ってるや。友達いないん
じゃないか?とばかりにここはおとなしく傍観。宴
会ならこんな長沢背稜の小屋じゃなくて鷹巣小屋で
やってくれと思う。明日も長い距離を歩くのでピリ
ピリしているのも雰囲気ぶち壊しである。
なにしろ5人ですからただでさえ騒々しいのに日が
暮れるに従って酔っ払いモード全開でとどまるとこ
ろを知りません。そのうちくだらない語りがはじまっ
て散会したのはなんと9時20分。日の短い冬山だ
から許される(というかやっぱり許されないか)時
間で朝2時頃から行動する夏山だったらぶん殴りも
のです。
さてこれで静かになると思いきや、この時間からラ
ンタンに火を入れて話し込みはじめる。消灯の意味
を完全に勘違いしています。こちらは一時期睡眠薬
を処方されていたほど入眠が安定していません。人
が喋っている横で平気で寝られるような体ではない
のです。明日の起床まであと何時間あると数えなが
らじっと静かになるのを待ちます。結局10時半ま
では話し込んでいたのを確認しましたが寝た方が先
だったようだ。お願いだからもう2度と山へこない
でね。
12日
夜半に雨がざーっときたようだが朝には回復してポ
ツポツ降っているだけで雨具を着ずに歩ける状態。
今日の天気予報からいけばまずまずの天気である。
予想通り寝過ごして6時半に慌しく歩き始める。
少し長いが今日の行程は川苔山から本仁田山を経由
して奥多摩駅へ降りる。鳩ノ巣へ降りる方が少し短
いが奥多摩駅へ降りたほうが交通費が安く済むのだ。
相変わらずの登山道を歩いて1時間30分。登山道
の行方がおかしい。地図にはない下り方をしている。
どこかで道を間違ったと思ってもすでに手遅れで気
づいた時には右下に林道が見えていた。
どうやら桂谷ノ峰から南に伸びている尾根を下って
しまったらしい。
どこで正規のルートを外れたのか皆目見当がつかな
い。それらしい分岐はまったく見当たらなかったのだ。
時間は8時30分。予期せぬところで予期せぬ下山
になってしまった。有間山の方へ迷い込まなかった
だけマシだったが実に後味の悪い山になってしまっ
た。ともかく長沢背稜だけは全部歩きとおしたが、
虚脱感に苛まれながら長い林道歩き。人の気配のな
い道を川乗橋のバス停まで歩く。歩く予定でなかっ
た林道歩きは足につらい。そして川乗橋のバス停で
時刻を確認すると、次のバスは1時間半後…何もな
いところで1時間半の時間をつぶすのは辛い。当然
駅まで歩く。これで1時間の舗装道路歩き、追加。
奥多摩駅からは丁度良くバスが出て鴨沢へ行き車回
収。小袖乗越はどうだか知らないが鴨沢は僕の車と
あと1台という淋しい状況だった。
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雲取山山頂。 |
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長沢背稜の様子 |
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酉谷避難小屋 |
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一杯水避難小屋 |
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長沢背稜の様子 |